ゼロからの宅建合格ラボ

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2020年宅建試験の問題12(権利関係・借地借家法・借家)

問題12は、借地借家法の条文知識が問われました。

 

問1

借地借家法31条(建物賃貸借の対抗力

 

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建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。

 

 

 したがって、Bが甲建物の引渡しを受けているので、その後その建物について物権を取得した者に対し対抗することができます。

 

問2

借地借家法32条(借賃増減請求権)

 

建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。

ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

 

 よって、特約がない場合、経済事情の変動により賃料が不相当となったときは、AはBに対し、賃料増額請求をすることができる。

 

問3

借地借家法38条5項(定期建物賃貸借)

 

転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情があれば、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、

建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。

 

したがって、賃貸人Aではなく、賃借人Bが解約を申し入れ、申入れの日から1月を経過することによって、本件契約を終了させることができます。

 

問4

借地借家法33条(造作買取請求権)

建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに

建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。

よって、期間満了で本件契約が終了するときに、Bは、Aの同意を得て甲建物に付加した造作について買取請求をすることができます。